誰も興味ない ⑤もう1つの部活編
人生の "半分、親友"
な私達がかけもちした、もう1つの部活のお話。
私達が愛した部活は、②きっかけ編でもふれたようにガッツリ運動部だ。
練習は極めてハードだったが、空き時間はたっぷりあった。
ストレッチとアップを終えた私たちは、
第2のアップと称して毎日必ずバレーのパス回し、スパイクの練習を始める。
お察しの通りもちろんバレーボール部員ではない。
だが、バレーボールをこよなく愛し、第2のアップも極めてハード。
不思議なことにバレーボールの練習を堂々と合間にはさんでも誰も何も言わなかった。(のか言いにくかったのか。)
体育の時間にくすねた、もといお借りしたボールには、敬意をこめて葵-あおい-と名前をつけ、愛用した。名前の由来は、白いボールにシュッとはいった青い刺青だ。
時には子どものように可愛がり、誰かのお腹の中に入れ部室まで移動した。
私達の熱意が周りをはやし立てたのか、
後輩たち、男子部員、隣の野球部員まで、バレーに興味を持ち始め、チョットしたバレーブーム到来。
そんなある日、葵の行方がわからなくなった。。
来る日も来る日も探したが、とうとう見つからなかった。
バレーブームが周りから去り、葵が私達の心の中で思い出になろうとしていたころ、
葵ひょっこり生還。
体育科の先生の元で保護されていた。
葵を引き取る手続きはすんなり済み、私達はもう一つの部活を再開することができた。
その後も、先生の素晴らしい配慮のおかげで、私たちは卒業するまで堂々と葵との時間を楽しむことができた。
感謝。
文章 あり
ゆり
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