BEST FRIENDS

30代 3人組 stillキラキラLIFE

誰も興味ない ⑪ちよのハイセンス

人生の "半分、親友"

な私達の部活のジャージを決めるに至るまでのお話。

 

私達の所属していた部活は、規律がゆるく、決まったジャージがなかった

大体、学年、性別ごとにジャージを揃えていたので、

仲良しの私たちも、もちろんお揃いを買いに走った。

 

このジャージを巡り、

センスというのは、人それぞれだと言うことを目の当たりにするのだ。

 

この話をするには、当時のちよのファッションについて触れておく必要がある。

 

ちよの私服を初めて見たのは、部活の新歓でボーリングに行ったときだった。

 

年頃の高校生は、当時の流行に沿ったファッションをして集合していた。

新入生なのにも関わらず、ちよは大御所のように最後に現れた。

ちよ、全身白いビッグシルエットのシャカシャカジャージを着て登場。

 

部員全員が固まった。

ちよに一言、「すごいね」と、先輩たちは声をかけた。

 

次にちよの私服を見たのは、学校の野外学習で山の方に泊まりに行った時だ。

 

山登りを皆で楽しみながら、歩いているところ、

ちよ発見。

 

緑の山の中に真っ白なちよが、シャカシャカと音を立てて歩いていた。

 

ありゆりはその姿を見るのが2回目だったので、さほどの驚きはなかったけれど、

周囲は怖かったのか、ちよは1人で山を越えていた。

 

その夜、ちよのクラスはソーラン節を披露した。

真っ赤なキャンプファイヤーの中に白く光るちよを見つけることはお茶の子さいさいだった。

 

ちよは決して目立ちたかったわけではないが、

ちよのファッションは皆の心に焼きついた。

 

そんなハイセンスなちよと同じジャージを選ぶのは、時間がかかった。

何度も何度も試着を繰り返し、店員さんにも野放しにされた。

ちよはやはり、白く光沢のあるジャージを好んだが

日本代表と同じジャージなら…ということで決着がついた。

よは意外とミーハーだ。

 

ありはMサイズを購入したが、

ありと背格好が同じなちよは、なぜか、デカいゆりと同じサイズを購入した。

そしてちよはビッグサイズのジャージを部活引退まで愛用した。

 

あれから10数年たったが、ちよは今タイトなファッションも着こなしている。

 

 

 

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