BEST FRIENDS

30代 3人組 stillキラキラLIFE

誰も興味ない ⑦実はまだあったもう1つの部活編

人生の "半分、親友"

な私達がかけもちした、まだあったもう1つの部活編。

 

入部した部活とは別に、バレーボールに熱心に打ち込み、

一大ブームを巻き起こした私達。

はもう1つ部活並みに体を動かし、汗を流した行事がある。

 

それは、週1で通っていたカラオケフリータイムだ。

 

土曜日、午前半日の部活を終えると私達は、

全速力でカラオケ屋さんに向かった。

 

私たちが狙っているフリータイムは一定の時間が過ぎると値段がぐっと上がってしまうため、

時間内に入るには一刻を争う。

私達は無駄話をせずに、チャリ盛り漕ぎ。

 

同じ部活の部員の間では有名な話であったが、

私達はカラオケのフリータイム中、最後まで立ちっぱなし、動きっぱなしだ。

決して座ることはない。

選曲はありゆり、ちよはデンモクには一切触れない。

マイクは一画面ごとに次の人にまわす、全曲全員参加型だった。

そんなカラオケスタイルに、部員みんな密かに憧れていることを私達は知っていた。

 

時には、日曜日も集合してカラオケ。

試合の前日で、練習は調整中でも全力でカラオケ。

試合当日もカラオケ。

 

地元密着型アイドルのように歌の練習に励んでいた。

音域を広げるために、1オクターブ上で歌い上げた曲も少なくない。

とにかく、歌手になりたかったのだ。(ゆりはアイドル志望)

 

そんな私達が常々不満に思っていることがあった。

それは練習の締めくくりを飾る、部長の万ちゃん(仮名)のながーいスピーチだ。

 

練習後、一刻も早く学校横の駄菓子屋さんでお菓子を食べたい私達は、

いつもそのスピーチを不満そうに聞いていた。

 

特に土曜日は、カラオケフリータイムの時間に間に合わなかったらどうしよとそわそわし、

話が早く終わってくれますようにと願い、万ちゃんに視線を送り続けた。

 

そんな私達の態度を察してかいなか、

負けず嫌いの万ちゃんの話は長くなる一方だった。

 

ある日我慢の限界に達した私達はついにストライキを起こした。

万ちゃんの

「集合!」の掛け声と同時に更衣室へ。

万ちゃんの視線をチクチク背中に感じながら、

忍者のように駐輪所へ、そしてそのまま盛り漕ぎ。

 

時間に余裕をもって到着、充実した時間を過ごした。

 

もちろんその後、万ちゃんと監督にお叱りを受けたが、

私達の歌手になりたい気持ちはぶれることはなく、第二次ストライキはこの後すぐ勃発したのだ。

 

文章 あり

   ゆり

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