ゆりの日常 ハズバンドと木笛
私のハズバンドは木笛を持っている。
アルゼンチン、ニュージーランド、そして日本とはるばる旅してきた木笛。
(ハズバンドの生い立ち⁉はそのうち)
たまーに思い出したように吹き出す。
一時期とりつかれたように吹いていた時期があり、
「お願いだから夜は吹かないで。近所の人がびっくりするから。」
と、注意した。
癒しの音ではあるが、あまり聞き慣れていない音色のため夜聞こえてくるとただただ怖い。
ある日
「サンポニデル。」
と、夜7時ごろ出掛けて、
夕飯の準備ができたのに、なかなか帰ってこない。
腹が減って我慢できず先に食べ始めると、
何やらヒュルリーホーホーホーと遠くから聞こえてくる。
最初は近所の家のテレビのボリュームでけーなと思い、特に気にせず食べ続けたが、
音がだんだんと大きくなる。
近づいてくる。
信じたくはないが嫌な予感。
ハズバンドが木笛をふきながら帰ってきた。
どうやら夜の公園で木笛の練習をしていたらしい。
文章 ゆり
編集 あり ゆり
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